2009年10月25日日曜日
準備1.1 多様
多く使われている言葉として上がったので、これについてだけ特記しておく。
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「多様である」ことを表明することで、あらゆる可能性を網羅して思考されたものであるかのように見えることに僕は警戒している。
多様であることは「多質」と「多種類」の二つの意味を持つと考えている。
多質であるとは非常にいいものから非常に悪いものまで含むことで、
多種類であるとは言葉通りさまざまな異種のものを含むことである。
僕たち設計者は(といっても僕はまだその責任を持てないけれども)、多種類であることは保障しても、多質であることを保証してはいけないのではないか。
言い換えれば誰かしらの使用者、あるいはそこに関係者が発生する分野である以上、「多種類ではあっても良質でなくてはならない」と考えている。
また、前に僕は建物の設計を「さまざまな作業の総体である」と書いたが、多様であるとの表現は本当に多様なのだろうかと疑問を覚えざるを得ない。
本来着実に練りこまれて提示されるべき良質さを放棄しているにもかかわらず、「多様である」と相手のイメージにゆだねてしまうことで、良質であるかのように受け取れてしまうことは、「良質な多様」ではなく、「設計の未収束」としての多様でしかないのではないかと思える。
ゆえに僕は無条件にいいものばかりを含むかのようなイメージを想起させる「多様」という言葉に警戒心を覚えてしまう。
そしてそのように無条件にいいイメージを抱かせないために、この言葉を使わないことにしている。
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